コンポジットリペア 施工事例
Case Study in COMPOSITE REPAIR
イギリスのファーマナイト社は、1990年代から石油メジャーが開発を開始したコンポジットリペア技術の体系的な確立を推進してきました。2015年にはISO 24817として正式に規格化され、高い品質と信頼性のある補修技術として世界各国で評価されています。
富士ファーマナイトではサービス開始2011年~現在まで
250件以上の実績があります!
ティー継手に異種金属を溶接したため、ガルバニック腐食が発生。溶接線の減肉、貫通穴からの漏水が見られました。
流体は常温の消火水、
圧力1.7MPaでした。
ISO 24817に基づく強度計算によると、コンポジットを17層積層すれば、溶接部の減肉が進行し破断してしまっても、漏洩を抑え込めることがわかりました。
シート状の炭素繊維を配管、装置の形状に合わせて裁断し、ティー継手全体に、必要積層数(17層)の積層を行いました。
コンポジットリペアによる効果
コンポジット層は軽いため、追加で配管のサポートを設置する必要はありません。人的被害の発生リスクと発電所の突発停止リスクを低減できました!
施工事例 12B ティー管 / 漏れ止め
配管の下側が広範囲に減肉しており、次回の定期修理で交換するまでの間、配管からの漏洩を防ぐ必要がありました。
流体は常温の廃ガス、
圧力0.1MPa。
製油所内のため、溶接による鉄板補強は行えません。また、装置を止めると、莫大なコストがかかってしまいます。
ISO 24817に基づく強度計算によると、減肉箇所が貫通して漏れが発生しても4層の積層で完全に漏洩の予防が可能と判断。
貫通する恐れがあったため、減肉箇所の表面処理は行わず、運転状態で、配管の下側のみにコンポジットを積層しました。
コンポジットリペアによる効果
減肉箇所からの漏洩リスクを低減したことで、突発的な装置停止のような最悪のリスクを回避することができました!
石油精製プラント内の3Bエルボに溶接された2Bダミー配管サポート内部に雨水が侵入し、時間の経過とともに腐食が進行、減肉がみられました。
「対象配管を交換することなく10年間使用できる条件」で設計し、コンポジット4層を積層することになりました。
炭素繊維は、垂直な面やそれに近い角度を持った物体に積層する場合、十分に密着させることができず、接着強度が低下しやすく、剥がれやすくなります。
そうしたことを防ぐために、あらかじめ決められた角度を保つよう整形します。
コンポジットリペアによる効果
コンポジット層により、恒久的な腐食の進行を防止するとともに、設計寿命期間内(10年)に、減肉箇所が貫通した場合の将来的な漏れ止め効果も考慮しています。
施工事例 3Bエルボ+2Bダミー配管サポート/漏れ止め・防食
石油精製プラント内タンクの上部に敷設された8B配管に腐食が発生。RT結果によると、3/4Bボス部分の最小肉厚が0.6mmであると判明しました。
万が一、配管に不具合が発生すると、内部流体(ブタン)の漏洩の恐れが…。配管更新をするには、プラント全体を停止しなければならず、漏洩発生する前の防食対策が必須でした。
炭素繊維は、鉄の約4分の1の重さにもかかわらず、強度は約10倍、硬さは約7倍という、「軽くて丈夫」という優れた特徴を持つ素材。
資機材の搬入が容易なだけではなく、高所に敷設された減肉した配管(サポートなし)に積層しても、軽量のため荷重がかかる心配も不要です。
ボス部分 を中心として、8B 母管の左右300mm の範囲の防食としてコンポジットを2層積層しました。
コンポジットリペアによる効果
コンポジット層の高い環境遮断効果により、外部腐食の進行を完全に防止し、防食塗装単独による対策よりも漏洩発生のリスクを低減できます。